指定野菜(していやさい)

指定野菜(していやさい)とは、農林水産省が野菜生産出荷安定法および野菜生産出荷安定法施行令によって定めた、国民生活において相対的に消費量が多く、価格安定が必要とされる野菜のことを指します。同意語としては「特定野菜」があります。

指定野菜の概要

指定野菜は、消費者の需要が高く、価格変動の影響を受けやすい野菜を対象として、安定的な供給と価格の安定を図るために設定されています。農林水産省はこれらの野菜を特定し、その生産や出荷に関する基準を定めることで、市場の安定化を図っています。指定野菜として指定されている品目は、2024年現在で15種類あり、これらは日常の食卓によく登場する野菜です。

指定野菜の種類と特性

指定野菜に指定されている品目とその特性は以下の通りです。

  • キャベツ:消費量が多く、価格変動の影響を受けやすい。
  • キュウリ:生産量が多く、夏季に需要が高い。
  • サトイモ:栄養価が高く、多様な料理に使用される。
  • ダイコン:年中需要が高く、価格安定が重要。
  • トマト:サラダや料理の材料として幅広く利用される。
  • ナス:夏季に消費が増え、価格変動が大きい。
  • ニンジン:調理のベースとして広く使用される。
  • ネギ:薬味として年中需要が高い。
  • ハクサイ:鍋料理や漬物に不可欠で、冬季に需要が集中。
  • ピーマン:栄養価が高く、サラダや料理の材料として人気。
  • レタス:サラダの定番素材で、需要が安定している。
  • ホウレンソウ:栄養価が高く、年中需要が高い。
  • タマネギ:料理のベースとして欠かせない食材。
  • バレイショ(ジャガイモ):多様な料理に使用され、需要が安定。
  • ブロッコリー:栄養価が高く、サラダや料理の材料として人気。(ブロッコリーは2026年度から追加)

指定野菜制度の課題

指定野菜制度の課題として以下の点があります。

  • 指定野菜に選ばれない野菜の生産者は補助金を受けられず、価格変動に対するリスクが高まります​。
  • 指定産地として認定される地域が限られるため、小規模農家や新規参入者にはハードルが高くなります​ 。
  • 補助金が規模の大きい産地に限られるため、小規模農家の経済的安定が難しくなります。
  • これらの制約は、農業の多様性や持続可能性に影響を与える可能性があります。
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