ウイルスフリー(ういるすふりー)とは、植物がウイルス病に感染していない状態を指します。特にカーネーション、宿根カスミソウ、ユリ、イチゴ、サツマイモ、ジャガイモなど、株分けや挿し木、接ぎ木、球根などで増やす植物において、ウイルス病に一度感染すると病気を取り除くことが非常に困難です。しかし、生長点を培養することで、ウイルスに感染していないウイルスフリー株を得ることができます。
ウイルスフリーの重要性
- 病気の予防:
- ウイルスフリーの苗や種子を使用することで、ウイルス病の発生を防ぎます。特に栄養繁殖で増殖するキク、イチゴ、フキ、ジネンジョなどは、親株が罹病(りびょう)しているとその苗はすべてウイルスを保有することになるため、ウイルスフリーの苗を使うことが重要です。
- 収穫量と品質の向上:
- ウイルスに感染していない植物は成長が良く、品質の高い作物を生産します。これにより、市場価値が高まります。
- 持続可能な農業:
- ウイルス病の発生を防ぐことで、農薬の使用量を減らし、持続可能な農業を実現します。これにより、環境負荷を軽減できます。
ウイルスフリーの実現方法
- 生長点の培養:
- 成長点を培養することで、ウイルスに感染していない健康な苗を作ります。この方法は、イチゴやジャガイモなどで広く使われています。
- 無菌での管理:
- ウイルスフリー苗は、無菌環境で培養され、ウイルス病を伝搬する害虫の侵入を遮断する施設内で管理されます。これにより、ウイルスの感染リスクを最小限に抑えることができます。