湿害(しつがい)とは、土壌中に過剰な水分が存在することで作物の根が酸欠状態になり、呼吸が阻害される結果、生育が著しく低下する現象を指します。特に排水不良な場所では発生しやすく、農作物に深刻なダメージを与えます。同意語としては「過湿障害」があります。
湿害の概要
湿害は、過剰な降雨や灌漑、排水不良などによって土壌中の水分が過剰になることで発生します。土壌中の酸素が不足すると、作物の根が呼吸できなくなり、成長が阻害されます。湿害は作物の成長を著しく低下させ、最悪の場合、枯死することもあります。
湿害の対策としては、畝を高くする、高排水性の土壌を使用する、排水溝やサブソイラーを設置するなどが効果的です。また、暗渠(あんきょ)を設置して地下水位を下げることも有効です。
湿害の種類
- 一時的湿害:短期間の降雨や灌漑過剰によって一時的に発生する湿害です。迅速な排水対策が必要です。
- 慢性的湿害:長期間にわたって排水が不良な場合に発生する湿害です。土壌改良や恒久的な排水対策が求められます。
湿害の予防について
湿害を効果的に予防するためには以下の点に注意が必要です。
- 適切な排水対策:畝を高くし、排水溝を整備することで、土壌の排水性を向上させます。
- 定期的な観察:湿害の進行状況を定期的に観察し、必要に応じて灌漑量を調整します。
- 土壌改良:有機物を添加することで土壌の通気性を改善し、湿害のリスクを低減します。