浸透移行性(しんとういこうせい)

浸透移行性の概要

浸透移行性(しんとういこうせい)とは、主に殺虫剤で使用される用語で、散布したり根元に施した薬剤が葉や根からしみ込み、植物の体内を通じて各部に移行する性質のことを指します。これにより、農薬が害虫に直接かからなくても、植物を食害することで殺虫効果を得ることができます。浸透移行性のある農薬は、効果が長期間持続するため、効率的な害虫防除が可能となります。同意語としては「システミック性」があります。

浸透移行性の種類や特性

浸透移行性にはいくつかの種類や特性があります。

  • 殺虫剤: 植物に浸透して害虫を駆除するタイプの農薬です。代表例はアセフェートやイミダクロプリドなどです。
  • 殺菌剤: 植物内に浸透して病原菌を抑制するタイプの農薬です。代表例はトリアゾール系殺菌剤などです。
  • 除草剤: 雑草の根や葉に浸透し、全体に行き渡って除草効果を発揮する農薬です。代表例はグリホサートなどです。

浸透移行性のメリットや課題

メリット

  • 効果の持続: 浸透移行性農薬は効果が長く続くため、再度の散布が減少します。
  • 全体的な防除: 植物全体に薬剤が行き渡るため、隠れた害虫にも効果があります。
  • 労力削減: 散布作業の頻度が減り、労力が軽減されます。

課題

  • 環境影響: 浸透移行性農薬は環境中に残留する可能性があり、非対象生物への影響が懸念されます。
  • 薬剤抵抗性: 害虫が薬剤に対して抵抗性を持つようになるリスクがあります。
  • コスト: 浸透移行性農薬は一般的にコストが高くなることがあります。
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