固定種(こていしゅ)とは、世代を重ねても特性が安定している品種の種子を指します。同意語としては「オープンポリネーション種」があります。
固定種の概要
固定種は、長い間にわたって栽培と選抜が繰り返され、特定の特性が安定して引き継がれるようになった品種の種子です。これらの種子は、親と同じ特性を持つ作物を生み出すため、自家採種が可能です。固定種は、伝統的な栽培方法や有機農業において重要な役割を果たし、遺伝的多様性を維持するためにも重要です。
固定種の特徴として、風味や栄養価が高く、特定の地域や気候条件に適応していることが挙げられます。これにより、地域特有の農作物を育てることができます。
固定種の種類と特性
固定種にはいくつかの種類と特性があります。
- 在来種:特定の地域で長期間にわたって栽培されてきた種で、その地域の気候や土壌に適応しています。
- 古典種:広く知られた伝統的な品種で、古くから栽培されてきたものです。
- 改良固定種:選抜や交配によって特定の特性を強化した固定種です。
固定種のメリット・デメリット
固定種のメリットとデメリットを以下に示します。
- メリット:自家採種が可能で、毎年種子を購入する必要がありません。地域特有の風味や栄養価が高く、環境への適応力が高いです。また、遺伝的多様性を維持することができます。
- デメリット:収量や病害虫への抵抗性がハイブリッド種(交配種)に比べて劣る場合があります。また、栽培条件や管理が難しい場合もあります。