
プラグトレイ
プラグトレイとは
プラグトレイ(ぷらぐとれい)とは、苗を効率よく、しかも均一に育てるために使われる育苗用の専用トレイのことです。小さな区画(セル)が規則的に並び、それぞれに種子をまいて苗を育てる仕組みとなっています。
セルにはピートモスやバーミキュライトなどの軽量な培土(ばいど)が詰められ、作物に適した環境が整えられます。プラグトレイは主にプラスチック製で、軽くて丈夫なため、農業現場での取り扱いがしやすいという特徴があります。
特に苗を一定サイズまで育てたのち、根鉢(ねばち)ごとスムーズに移植できることがメリットとされています。 同意語としては「セルトレイ」「連結ポット」「プラグ苗トレイ」などがあります。
プラグトレイの概要
プラグトレイは、農業での育苗作業を効率化し、苗の品質を均一に保つために使われる資材です。
各セルに1粒ずつ種をまくことで、苗同士の根の絡み合いを防ぎ、健康な根の発達を促します。
サイズや形状、セルの数や深さは作物の種類や栽培方法によって多様で、農業現場では用途に応じた選定が欠かせません。
プラグトレイの詳細説明
プラグトレイの最大の特長は、限られたスペースで多くの苗を同時に、しかも効率的に育てられる点にあります。
苗が生長し、根がセル内でまとまって根鉢を形成するまで育てることで、移植時のダメージを最小限に抑えることができます。
ハウス栽培や育苗センターでは特に重宝されており、また家庭菜園でも使いやすいことから需要が高まっています。
プラグトレイのサイズと主な用途
以下は代表的なプラグトレイのサイズ・セル数と主な対象作物の例です。
セル配列 (列×行) |
総セル数 | セルサイズ (mm) |
セル深さ (mm) |
主な用途 |
---|---|---|---|---|
4×8 | 32 | 約45×45 | 約50〜70 | スイカ、カボチャなど大型野菜 |
6×10 | 60 | 約35×35 | 約45〜60 | トマト、ナス、ピーマン |
8×10 | 80 | 約30×30 | 約45〜55 | キュウリ、レタス |
10×10 | 100 | 約28×28 | 約40〜50 | キャベツ、ブロッコリー |
10×12 | 120 | 約25×25 | 約40〜45 | 葉物類、ハーブ類 |
12×16 | 192 | 約20×20 | 約30〜40 | 小型種子作物 |
15×20 | 300 | 約15×15 | 約25〜35 | 花卉類、観葉植物 |
プラグトレイの役割とメリット
- 均一な苗育成: セルごとに育てるため、生育にばらつきが出にくく品質が安定。
- 省スペース・省力化: 限られた空間でも大量の苗を同時育成可能。
- 移植しやすさ: 根鉢が形成されるため、移植後の活着が良好。
プラグトレイの課題と対策
課題1:乾燥・過湿のムラ
- セルの大きさや土の性質により、水分の偏りが起きやすいです。
- 対策: 底面潅水やマットを使って、均一な水分管理を行います。
課題2:根詰まりによる生育遅れ
- 育苗期間が長すぎるとセル内で根が絡まり、生長に悪影響を及ぼすことがあります。
- 対策: 作物に応じた育苗期間を設定し、適期に定植を行いましょう。
課題3:衛生管理の不備による病害リスク
- 使用後に適切に洗浄・消毒しないと、次作で病害が発生しやすくなります。
- 対策: 使用ごとに殺菌洗浄し、通気性の良い環境で乾燥させてから保管します。