寒冷紗（かんれいしゃ）

寒冷紗（かんれいしゃ）とは

寒冷紗とは、ビニロン（PVA）やポリエチレン、ポリエステルなどの化学繊維を編み込んで作られたネット状の資材です。寒冷紗の主な特徴は以下の通りです。

• 遮光性が高い: 作物を直射日光から守ることができ、特に夏場の強い日差しから植物を保護します。
• 防霜効果: 寒冷紗は、霜の発生を防ぎ、作物を寒さから守る効果があります。
• 通気性が良い: 通気性が良く、作物の湿度管理に適しています。これにより、過剰な湿気を防ぎ、病気の発生を抑えることができます。
• 丈夫で長期使用が可能: 耐久性が高く、長期間にわたって使用することができます。

寒冷紗は、温室ハウスの内張りカーテンとして広く使用されているほか、露地栽培の作物の保護にも活用されています。

寒冷紗の種類と選び方

寒冷紗には、さまざまな種類があります。主にビニロン製、ポリエチレン製、ポリエステル製に分類されます。それぞれの特徴を以下に示します。

ビニロン寒冷紗

• 特徴: ビニロン製の寒冷紗は、優れた耐久性と防霜効果を持っています。特に、寒冷地での使用に適しており、霜の影響を受けにくいです。同じ目合いのポリエチレン製のものと比べ、ビニロン特有の糸の毛羽立ち効果が小さな虫の侵入を防ぐ効果が高くなっています。
• 利点: 通気性が良く、湿度管理がしやすいです。また、紫外線に対する耐性も高く、長期間使用することができます。
• 用途: 主に温室やハウス内での使用に適しています。
• 課題: ビニロンの性質上、収縮性があります。ビニロン製寒冷紗をカーテン材として利用する際は縮みを考慮して余裕2～3％程度の余裕をもって準備が望ましいです。

ポリエチレン寒冷紗

• 特徴: ポリエチレン製の寒冷紗は、軽量で扱いやすいのが特徴です。コストパフォーマンスが良く、広く普及しています。
• 利点: 価格が安価で、手軽に入手できるため、初心者にもおすすめです。遮光性も高く、直射日光から作物を守ります。
• 用途: 露地栽培や家庭菜園など、さまざまな場面で使用されています。

寒冷紗の使用方法

ここでは露地トンネル栽培に寒冷紗を利用する場合の使用方法を説明します。以下の手順で設置します。

• 設置場所の準備: 寒冷紗を設置する場所を整え、土壌や作物の状態を確認します。
• 寒冷紗の展開: 寒冷紗を作物の上にかぶせます。特に、苗が小さいうちに使用することで、成長を助ける効果があります。作物によってはトンネル支柱を用いて空間の確保の為に、トンネル支柱を用います。
• 固定: 寒冷紗が風で飛ばされないように、しっかりと固定します。押さえピンやロープ、ポリベル等を利用して固定することが一般的です。

寒冷紗の効果

寒冷紗は、以下のような効果を持っています。

• 温度管理: 寒冷紗は、植物の周囲の温度を一定に保つ効果があります。特に、夜間の冷え込みを防ぎ、日中の温度上昇を抑えることができます。
• 害虫防止: 外部からの害虫の侵入を防ぐ役割も果たします。特に、幼虫や小さな昆虫に対して効果的です。
• 病気の予防: 湿度管理が適切に行えるため、病気の発生を抑えることができます。特に、過剰な湿気が原因となる病気を防ぐことができます。

寒冷紗のメンテナンス

寒冷紗は、設置後も定期的にメンテナンスを行うことが重要です。

• 定期的なチェック: 寒冷紗の状態を定期的に確認し、破損や劣化がないかをチェックします。特に、強風や大雨の後は再確認が必要です。
• 清掃: 使用後は、寒冷紗を清掃し、次回の使用に備えます。汚れが付着すると、透光性が低下する可能性があります。

寒冷紗の関連情報

寒冷紗は、他の農業資材と併用することで、より効果的に植物を保護することができます。以下のような資材と組み合わせることが一般的です。

• マルチング材: 土壌の温度を保ち、雑草の発生を抑えるために使用されます。寒冷紗と併用することで、より効果的な保護が可能です。

まとめ

寒冷紗は、作物を寒さや直射日光から守るための強力な味方です。正しい使用方法とメンテナンスを行うことで、作物の健康を保ち、より良い収穫を得ることができます。寒冷紗を活用して、健康で美しい作物を育てていきましょう。