籾(もみ)とは、稲(いね)の果実で、外皮である籾殻(もみがら)に包まれた状態の米のことを指します。籾殻は、米を外的なダメージや乾燥から守る役割を果たし、籾米(もみごめ)とも呼ばれます。籾は、収穫後に脱穀(だっこく)され、籾殻が取り除かれて精米されることで、私たちが日常的に食べる白米(はくまい)となります。農業では、種子として使用される籾は「種籾(たねもみ)」と呼ばれ、栽培の重要な役割を果たします。
籾は、稲の栽培において中心的な存在です。稲が成長し、花が咲いた後、花が受粉して実を結び、その果実が籾となります。籾は、稲の成長過程の終盤で形成され、その中には将来の新たな稲の株を育てるための種子が含まれています。籾の外側には籾殻があり、この籾殻は米粒を包んで保護する働きを持っています。籾殻は非常に硬く、機械的な脱穀工程を通じて取り除かれます。
籾は、米として食用にされるだけでなく、次の世代の作物を育てるための重要な種子としても使用されます。特に種籾は、選抜された優良な品種を育てるために大切に管理され、播種(はしゅ)の際に用いられます。種籾の選抜は、次の収穫期の生育状況を左右するため、非常に重要な作業となります。
籾はまた、保管が比較的容易で、籾殻に包まれていることで長期保存が可能です。このため、収穫後の米はまず籾の状態で貯蔵され、必要に応じて脱穀と精米が行われます。籾の保管中には、適切な温度と湿度の管理が必要で、湿気や害虫から保護することが求められます。
籾は、稲作において以下のような役割を果たします。