有機物(ゆうきぶつ)とは、鉱物などの無機物(むきぶつ)以外の物質で、主に植物や動物の残渣(ざんさ)や排泄物(はいせつぶつ)を指します。農業においては、堆肥(たいひ)、稲ワラ、麦ワラ、草、木の皮、オガクズなどが有機物として利用され、土壌の改良や栄養分の供給に役立っています。有機物は土壌の物理的・化学的性質を改善し、作物の生育を促進する重要な役割を果たします。 同意語としては「有機材料」や「生物資源」があります。
有機物(ゆうきぶつ)は、農業において非常に重要な役割を果たします。土壌に有機物を施用することで、以下のような効果が期待されます。 1. 土壌の物理的特性の改善 有機物は土壌の構造を改善し、団粒(だんりゅう)構造の形成を促進します。これにより、土壌の通気性や保水性が向上し、根の成長が促進されます。特に、砂質土壌や粘土質土壌では、有機物の施用が大きな効果をもたらします。 2. 土壌の化学的特性の改善 有機物は、土壌中の栄養素の供給源となります。堆肥(たいひ)やワラなどの有機物が分解される過程で、窒素(ちっそ)、リン(りん)、カリウム(かりうむ)などの植物に必要な栄養素が供給されます。このような持続的な栄養供給により、作物の健全な成長が促進されます。 3. 土壌生物の活性化 有機物は土壌中の微生物(びせいぶつ)や動植物の活動を活性化します。微生物が有機物を分解することで、土壌の肥沃度(ひよくど)が向上し、作物の栄養吸収がスムーズになります。また、土壌生物の活動によって病害抵抗力が高まり、持続的な農業が実現します。
有機物の役目は、主に以下の3つです。