底面給水設備(プールベンチ)とは
底面給水設備(プールベンチ)は、農業において効率的な水分管理を可能にする技術で、並べられた鉢の底穴から、根に直接水を供給することで水の無駄を削減し、生産性を向上させる仕組みです。この設備は主に温室栽培で使用され、鉢底の穴から水を供給する仕組みにより、作物の根に持続的に必要な水分を届けることができます。特に花卉や観葉植物の栽培に適しており、水分管理が求められる場面で効果的です。
製造元・発売元及び製品名
製造・発売元 | 製品名 | 特徴 |
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底面給水システム 鉢物から育苗まで自由自在に灌水 数種類のトレイ | ||
鉢土の毛細管現象によって鉢の底から給水させる方法 プラグ育苗においても均一に給液 微細種子でも種子が動く心配がない | ||
トレーに水を注入し植木鉢の底面から水を与える底面給水アグリベンチ 水道の蛇口の開閉だけで適量・均一に灌水が可能 栽培だけでなく、直売所やホームセンターなどの、花を販売する場所でも多く活用されている |
底面給水設備(プールベンチ)の効果
鉢底から均一な給水
鉢底から均一に給水できるため、手灌水のような給水ムラが無く、生育が均一化され、花卉や観葉植物が安定して出荷できる点も大きな特徴です。
1. 効率的な水分供給
プールベンチは、根の近くから直接水分を供給するため、作物が必要とする水分を効率的に吸収できます。このため、水の無駄が少なく、作物の生育に必要な水分を的確に供給することが可能です。
2. 過湿の防止
水分が土壌の底部から供給されるため、表面からの水やりに比べて過湿のリスクが低くなります。これにより、根腐れや病害虫の発生を防ぎ、作物の健康を維持することができます。
3. 労働の軽減
底面給水設備(プールベンチ)は、自動化されたシステムと組み合わせることで、作業者の負担を大幅に軽減します。センサーを用いて土壌の水分量をモニタリングし、必要に応じて自動的に水分を供給することで、農作業がより効率的になります。
4. 根の成長促進
底面給水設備(プールベンチ)は、根が必要な水分を効率的に吸収できる環境を提供するため、作物の根の成長を促進します。これにより、作物全体の健全な生育が促進され、収穫量の向上が期待できます。
5. 土壌の水分保持
底面給水設備(プールベンチ)は、土壌の水分を持続的に保持する効果もあります。これにより、乾燥しやすい時期においても水やりの頻度を減らし、効率的な水管理を行うことができます。
6. 病害虫の抑制
底面給水設備(プールベンチ)による水分供給は、土壌の湿度を一定に保つため、病害虫の発生を抑える効果があります。特に根腐れや病気のリスクを低減することができ、作物の健康を維持するのに役立ちます。
底面給水設備(プールベンチ)の設置方法
1. 圃場の準備
底面給水設備(プールベンチ)を設置する前に、圃場を整地し、土壌を平らに整えます。また、必要に応じて土壌の改良を行い、排水性を確認します。設置時における設備や貯水量、作物の成長重量を考慮して、土台となるベンチの沈下防止や耐久性を考慮しておきます。
2. 給水管の設置
鉢底に均等に給水させる為に、水平に設置されたプール型の枠組みならば、1か所以上の給水管を設置します。シクラメン栽培で用いられるC鋼や樋型の場合は、樋毎に給水管を設置します。
3. 水源との接続
給水管を水源に接続し、必要な水圧が確保されていることを確認します。自動化システムの場合、センサーを設置して土壌の水分量をモニタリングすることが推奨されます。
底面給水設備(プールベンチ)の注意点
1. 定期的な点検
底面給水設備(プールベンチ)は定期的に点検し、詰まりや漏れがないか確認することが重要です。特に給水管の清掃を怠ると、設備の効果が低下する可能性があります。また、排水部分には植物の残渣物や落ち葉などが詰まらないように、定期的な点検と清掃が必要です。
2. 水質管理
使用する水源の水質を確認し、病原菌や有害物質が含まれていないことを確認することが重要です。水質が悪化すると、作物に悪影響を及ぼす可能性があります。
3. 適切な運用
作物の成長段階に応じて水分供給の量や頻度を調整することが大切です。特に成長期や収穫期には、適切な水分管理が求められます。
まとめ
底面給水設備(プールベンチ)は、効率的な水分管理を実現し、作物の健全な成長をサポートするための重要な農業資材です。正しい設置と運用によって、その効果を最大限に引き出し、農業の生産性向上に寄与することができます。今後の栽培において、底面給水設備の導入をぜひご検討ください。