選別機・選果機とは
農業分野における選別機・選果機は、収穫された農産物を品質や規格に応じて分類するための重要な機械です。
これらの機械は、農産物の重量や大きさ、形状、さらには内部品質(糖度や酸度など)を基準に選別を行います。
人手による選別作業は時間と労力を要し、精度にも限界がありますが、選別機・選果機の導入により、作業効率と精度が飛躍的に向上します。
製造元・発売元及び製品名
製造・発売元 | 製品名 | 特徴 |
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サイズ、重量、色、糖度の選別が可能 | ||
選別対象:サクランボ 4ランク+規格外 | ||
選別対象:いちご 中玉トマト プルーン 6ランク+規格外 | ||
選別対象:中玉トマト、ピーマン 3ランク+規格外 | ||
選別対象:バレイショ、ジャガイモ 5ランク+規格外 | ||
選別対象:タマネギ、ジャガイモ、バレイショ、マンゴスチン、洋なし、パプリカ 5ランク+規格外 | ||
選別対象:ダイコン、ナガイモなど 3ランク+規格外 | ||
選別対象:しいたけ、トマト、ピーマン、じゃがいも、ブロッコリー、その他農産物 17ランク+規格外 | ||
果実・野菜用画像処理選別機 選別機と画像処理システムが一緒になった本格的選別ライン | ||
画像処理腐敗検出装置 果実の傷や腐敗部位で生成されるフラボノイド類が紫外線に反応して発生する蛍光を画像処理することにより検査 | ||
選果システムプラント | ||
いちご選果機は、コンベヤで運ばれるトレイに乗ったいちごの重さを連続的に測り、重さで7段階に分けることができます。 空いているトレイであればどこでもいちごを載せることができます。 一人で作業するときに自分の側に5か所の選果シュートがあるので機械の反対側に回らなくても、横移動するだけで選果されたものを箱詰めできます。 | ||
リンゴを載せるだけでライト(ハロゲン電球)が自動点灯、蜜入りの場合は光が通り、リンゴ全体が明るく見える 過熱防止の温度ヒューズを内蔵 | ||
大根(ダイコン)選別機 精度が±10g以下という高い精度 1時間3000本処理 タッチパネル方式により重量設定が簡単 | ||
果実の糖度、酸度、熟度、内部障害を非破壊で測定 | ||
果実の糖度、酸度、熟度、内部障害(サイズ)を非破壊で測定 | ||
果実の糖度、酸度、熟度、内部障害、サイズを非破壊で測定 | ||
枝豆の色を自動で判別し、不良品を取り除く 人手と手間がかかる選別作業の負担を大幅に軽減 | ||
未熟莢、一粒莢を自動的に除去 高速で滑らかな振動機構-高い選別精度 処理能力350kg/時間 | ||
二重選別機構で未熟莢・一粒莢を自動的に除去 後は虫食いや変色莢を拾い上げれば選別完了 | ||
ネギの太さ選別の作業時間が大幅短縮 投入口が低い(75cm)ので、椅子に座ったままでの作業可能 規格調整10mm~35mmまでミリ単位で調整可能 ネギの太さにより5段に分別 | ||
ネギの太さ選別の作業時間が大幅短縮 仕分け別に本数をカウント 瞬時に3+1段階選別 ネギを置くだけで簡単選別 | ||
株式会社エトバス | マイコンセンカキ | 重量式 自動選果選別機 独特のサービス体制 特注品、個別仕様相談可能 |
小規模農家向けの選別機・選果機
特徴と機能
小規模な農家では、重量や大きさを基準にしたシンプルな選別機が主に使用されます。これらの機械は、手頃な価格で導入でき、操作も簡単であるため、初めて機械化を検討する農家に適しています。具体的な価格帯としては、簡易型の選別機は約50万円から150万円程度が目安とされます。機械の性能やメーカーによって異なりますが、小規模農家にとって負担を抑えた導入が可能です。
導入のメリット
- 作業効率の向上: 手作業に比べて迅速で、労力を削減。
- コスト削減: 人件費の削減に寄与。
- 品質の均一化: 商品価値を高める。
大規模共選向けの選別機・選果機
高度なシステム
一方、大規模な共同出荷(共選)を行う組織や農家では、より高度な選別機・選果機が求められます。これらのシステムは、収穫後の投入から梱包までの一連の選別作業を自動化し、効率的な大量処理を実現します。特に、非接触型の光センサーを用いた選別機は、農産物の内部品質(糖度、酸度、熟度、内部障害など)を非破壊で検査できるため、高品質な商品の選別に適しています。
高品質な選別の重要性
これにより、ブランド化や高収益化を目指す生産者にとって、安定した品質の農産物を市場に供給することが可能となります。特に輸出を考える農家にとっては、国際基準を満たした選別が重要です。
光センサー選果機の特徴と利点
光センサー選果機は、果物や野菜に光を照射し、反射や透過した光の特性を分析することで、内部の品質を評価します。以下に、光センサー選果機の主な検査項目とその利点を紹介します。
主な検査項目
- 糖度: 果物の甘さを数値化し、高糖度の商品を選別することで、消費者の満足度を向上させます。
- 酸度: 酸味の強さを測定し、糖度とのバランスを考慮した選別が可能です。
- 熟度: 果物の熟成度合いを判断し、最適なタイミングでの出荷をサポートします。
- 内部障害: 内部の腐敗や障害を検出し、不良品の市場流通を防ぎます。
- 大きさ: サイズを正確に測定し、規格に合わせた選別を行います。
- 色・外観: 外観の色や形状を評価し、見た目の品質を確保します。
利点
これらの機能により、光センサー選果機は、果物の本来の価値を見極め、高単価での販売やブランド化を推進する上で欠かせないツールとなっています。
選別機・選果機の導入時の注意点
性能と価格のバランス
必要な機能を備えた機械を、予算内で選定することが求められます。特に、小規模農家では、過剰な機能を持つ高価な機械はコスト負担となるため、適切な規模と機能の機械を選ぶことが重要です。
アフターサポートの充実
機械の故障やトラブル時に迅速な対応が受けられるか、メーカーや販売店のサポート体制を確認することが必要です。特に収穫期には機械の稼働が止まると大きな損失となるため、信頼できるサポートが求められます。
補助金の活用
選果機の購入には、国や自治体の補助金が利用できる場合があります。これらの制度を活用することで、初期投資の負担を軽減できます。詳細は各自治体の農業支援窓口や関連機関に問い合わせることをおすすめします。
中古機械の検討
予算に限りがある場合、中古の選果機を検討することも一つの方法です。ただし、機械の状態や保証内容を十分に確認し、信頼できる業者から購入することが重要です。
まとめ
選別機・選果機は、農産物の品質向上と作業効率化を実現するための重要なツールです。導入にあたっては、規模や目的に合った機械を選び、アフターサポートや補助金の活用も検討することが重要です。これにより、農産物のブランド価値を高め、持続可能な農業経営に寄与することができます。
その他選果作業場に最適な器具
屋内の選果作業において、役立つ器具をご紹介。
製造・発売元 | 製品名 | 特徴 |
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選果時における果実の色付き、傷の確認に最適な照明器具 従来の蛍光灯では出せない自然光に近い発光により、視認による選果選別作業の能率アップに貢献 簡単設置:電気コード・プラグ付きでコンセントに差し込むだけですぐに利用可能 |